かえるユニバース

気ままな妊婦の日々のブログ

あの日:前編

 

 

朝、5時過ぎに目が覚めた

 

家は遮光カーテンじゃないから早朝から部屋に日差しが差し込んできて、室内の温度が一気に夏になる。

朝が弱い私もさすがに暑くて自然と目が覚めるので、今朝もそれなのかと思ったが、なんだかいつもと違う感覚があった。取りあえずトイレに行きたい。

 

トイレでパンツを下ろすと

 

 

!!!!!!!

 

 

パンツの中に敷いているおりものシートにピンク色の染みが!

 

??????

 

寝ぼけながら、昨晩バイスサワー(アルコール抜き)飲んだのがそのまま出てきちゃったのかなぁとか考えたけど、そんなはずはなく。

 

うーん、と考えながら寝室に戻って、夫に報告。

 

改めて『おしるし』というものをネットで検索したり、手元にある妊婦本を読んでおさらい。

おしるしって、出産が近付くと見られるサイン的な役割のもので(子宮口の蓋をしていた粘液栓がはがれ、頚管粘液と混ざり合って出てくるもの)、出産の一週間前くらいから何回も出る人がいたり、全くない場合もあったりするみたいで、この時わたしは出産予定日より11日前でした。

 

うーん、そうか、何とも言えないけど・・・取りあえずシャワー浴びよ!

 

この選択は我ながらナイスだったと思う、何故ならこの日の内にシャワーを浴びることは出来なくなるから。

 

 

シャワーを浴びて、寝室に戻るとどことなく感じるお腹の痛み。

でもこの時点ではまさかこれが陣痛だと思ってなくて、チクチク痛いなぁ…まさかなぁ…くらいの気持ち。まだ全然動き回れる。

それでも念の為、産院での出産・入院についての紙を見ながら、入院セットに物をいそいそと詰める。(本来これは予定日の一ヶ月前くらいには完成させておくもの。笑)

そして、この状況下においてヤフオクとメルカリに出品していた物たちを非公開(出品停止)にしなきゃ!と頭が働いたのは、これまた我ながら凄い。

ちなみにお取り引き中だった相手には念の為、陣痛が始まったかもしれないという一報を入れ、発送を夫にお願いした。グッジョブ。

 

 

意外とこれは大丈夫なやつなのかも〜とか思っていたら

 

 

 

あれ、なんか、、、、痛いかも!

 

 

 

突然痛みが増した、これは陣痛だ。

 

痛いのには波があって、キュ〜〜〜〜と痛い時と、少しは治まって会話出来る時があった、陣痛の間隔が短くなるまでは家で様子見て下さい的なことを産院の母親学級で言われた(メモしてた)なぁと思い、急遽ダウンロードした陣痛間隔を計るアプリを使用、それでお腹が痛くなり始めてから1時間くらい様子を見たかなぁ。

痛くなる間隔が短くなってきて、会話するのも辛い中で夫の協力のもと産院に電話、来て下さいとのことで、急いでタクシーを呼ぶことに。

家でも外出先でもいつでも呼べるようにと、事前に登録して(諸々準備遅かったけどこれだけはやっていた)財布の中に入れていたマタニティタクシーカードに記載されている番号に掛けても一向に繋がらない!まさか!!嘘でしょ!!!

 

そう、この日は祝日

 

それだからなのか何なのか、何度かけても繋がる気配のない電話、加速するお腹の痛み、相変わらず繋がらない電話、一定の間隔でくるキュ〜〜〜〜っとした痛み。

ベッドの上でのたうち回っている私、その傍で別のタクシー会社を検索して電話して迎車をお願いしてくれた夫、涙が出る。

 

10〜15分待って来てくれたタクシーにさっき詰め込んだばかりの荷物を持って乗り込む、荷物の一番上にはポムポムプリンのぬいぐるみも入れた。

自宅から産院まで車で40分、普通のタクシー(マタニティタクシーは万が一に備えてシート部分にカバーがされている)だから破水して汚してしまったらどうしようなどと不安を抱きつつ、車の中でドアポケットをギュッと掴んで痛みをなんとか逃す。深呼吸をする。

 

痛みが引いているほんのわずかな間は、窓の外の景色を見ていた。

真夏の祝日の朝、緑色な感じ、まだ街が動き出す前の景色を、遠くをぼんやり見つめていた。

 

車内は私が痛みを我慢している声だけで、静かだった。

夫は手を繋いでいてくれた。

 

 

 

病院に着いてからはトントン拍子に物事が進んでいった

 

必死の思いで受付に行ったら、意外と淡白な感じ(みんな出産の時はそんな感じだから慣れてるんだろうね)で分娩台へ案内され、助産師さん(可愛い)が診てくれて。

子宮口が開いているのでこのまま出産に入ります的なことを言われてビックリしたのを覚えている、入院部屋みたいな所でもう少し様子を見るのかと思っていたから。

 

痛みの間隔はどんどん短くなって、でも波があって、痛くて、痛くて、痛くて、でもこれはお腹の赤ちゃんが外に出ようとゆっくり旋回している痛み、今日外に出ようと決めた赤ちゃんの為に私も一緒に頑張ろうと思えた。

これは母親学級で人形を使ってレクチャー(どうやって産道を進むのか)されたことで、思いの外わたしの頭の中に残っていたようだ。参加してて良かった。

なのでお腹の痛みは痛いけどなんとかなりそうな気がしてたんだけど、陣痛の波が来る度に、あの、その、、、

 

 

 

うんちが出そう!!!!!!!!!!

 

 

 

だけどね、実際は出ないの。

だけどね、ずっっっっっっとうんちが出そうなの。

 

産後に『肛門陣痛』という言葉を知ったけど、陣痛の度に赤ちゃんの頭が内側から肛門を刺激(物凄い力で押される)して生まれる痛みなんだそうな。

もう本当にそれが辛くて、自分で何か出来れば一番良いんだけど横たわって痛みに耐えることしか出来ないから、助産師さんが部屋を離れている時は夫に肛門にテニスボールを押し付けてもらった。

妊婦さんなら聞いたことがあるであろう、出産時にあったら良いもの『テニスボール』を本当に自分が使うことになるとは・・・しかも結婚して半年も経っていない夫にやってもらうなんて、もう恥ずかしさ200%!

でもテニスボールを押し付けてもらうのとそうじゃないのとでは痛みが全然違うからお願いするしかなく、力の無い声でうんち出ちゃう〜〜〜やだよ〜〜〜〜〜って言っている嫁の傍にずっと付き添っていてくれた夫には感謝しかない。

そして今まで生きてきた中で一番テニスボールと触れ合った気がするよ。

 

 

いつ終わるか分からない痛みで段々と心細くなり、経過を診に来てくれる助産師さん(可愛い)が心の拠り所になり、部屋を出て行こうとする助産師さんに「先生行かないで〜〜〜〜〜」と泣きそうな声で言ったら「私は先生じゃない」と笑われた。

でもその後からほとんど部屋の中に居てくれるようになった、好きです!!!

 

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いつもの立ち飲み屋で前日に飲んでたバイスサワー(アルコール抜き)

 

つづく